TEL 045-435-1112
最寄駅 JR東神奈川駅 徒歩3分 東急東横線
東白楽駅徒歩5分
住所 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-20-5 MAEビル5階

一般皮膚科

女性が微笑んでいる画像

手荒れ

手荒れは、手の肌が乾燥しひび割れや炎症を起こす現象です。特に寒い季節や頻繁に手を洗うことが必要な環境では、手荒れが悪化しやすくなります。

まず、冬季の乾燥した空気や室内の暖房による水分の蒸発が手肌の乾燥を促進します。また、洗剤や化学薬品に触れることで肌に刺激を与え、手荒れの原因になります。さらに、頻繁な手洗いやアルコール消毒の繰り返しが皮膚の保湿バリアを損ない、手荒れを引き起こします。

症状に応じてステロイド外用薬や保湿剤で治療しますが、炊事の時に綿の手袋+ゴムやビニール手袋をして防御することが大切です。

手荒れイメージ画像

乾癬

乾癬(かんせん)は、皮膚の細胞が過剰に増殖し、赤く鱗状の斑点が出現する慢性的な皮膚疾患です。この病気は免疫系の異常によって発生し、市販の治療法では効果が得られない場合が多いです。現代の医療では乾癬を完全に治すことは難しいとされていますが、適切な治療とセルフケアにより症状をコントロールすることは可能です。

乾癬の主な症状としては、鱗状の斑点が挙げられます。これらは赤く浮き出た斑点で、銀白色の鱗とともに現れます。また、強い痒みや痛みを伴うこともあります。近年では乾癬用の外用薬も数種類出来ています。また、内服薬もある程度効果が期待できます。

当院では広い範囲に病変があっても全身型光線治療を用いて比較的短時間で治療ができ、これもある程度の効果が期待できます。それでも難治な場合には中核病院に紹介し、高額ではありますが生物学的製剤(注射薬)による治療も考慮します。

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis)は、慢性的な炎症性皮膚疾患で、特に幼少期に発症しやすいです。この疾患は痒みを伴い、皮膚が赤くなるだけでなく、ひび割れや鱗状の斑点が現れることもあります。

アトピー性皮膚炎の原因は、家族にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー疾患がある場合、発症リスクが高まることがわかっています。また、乾燥した気候やハウスダスト、ダニ、花粉など、さまざまな環境因子がアトピー性皮膚炎の発症や悪化に関与します。さらに、肌バリア機能の低下も原因の一つです。皮膚のバリア機能が弱いため、外部刺激に対する反応が過敏になり、症状が現れやすくなります。

アトピー性皮膚炎の主な症状として、皮膚の乾燥とともに強い痒みが生じることが多いです。皮膚が赤く腫れて発疹が出ることもあります。さらに、乾燥が進むと皮膚がひび割れ、鱗状の斑点が現れることがあります。ステロイド外用薬を適切に使い、スキンケアを行うことが治療の基本です。自分に対する悪化因子を知ることは治療には役立ちます。搔かないようにかゆみ止めの内服薬を使用することもあります。これら基本治療でコントロール不良の場合には光線療法も効果が期待できます。さらに近年では生物学的製剤という注射薬が開発され、かなりの効果が期待できますが、値段は高いです。

ニキビ

ニキビは、皮脂腺が詰まり、炎症を起こすことによって発生する皮膚のトラブルで、特に思春期に多く見られますが、大人になってからも発生することがあります。ホルモンの影響などで皮脂が過剰に分泌されることや毛穴が詰まることでアクネ菌が増殖することが問題です。このアクネ菌の増殖により、炎症が引き起こされるのです。

ニキビの症状は皮脂が毛穴に詰まり、白い突起ができる白ニキビが初期段階で見られます。白ニキビに溜まった皮脂が増えて毛穴が押し広げられると、皮脂は空気に触れて酸化し、黒ずみます。これが黒ニキビです。赤ニキビは文字通り赤みを帯びたニキビで、毛穴が炎症を起こして赤く腫れます。次に、白ニキビが悪化し、毛穴が炎症を起こして赤く腫れた状態、つまり赤ニキビになります。

さらに炎症が進行し、膿が溜まると膿ニキビが見受けられるようになります。この膿ニキビは痛みを伴うことも多いです。瘢痕を残してしまうと、いい治療法が無くなりますので、そうならないよう根気よく治療することが大切です。

急性炎症期には抗生剤外用薬を使いますが、維持期には詰まった毛穴を改善させる(ピーリング)ための外用薬を使います。

しもやけ

しもやけは、凍瘡とも呼ばれ手や足の指全体が赤く腫れるタイプと、部分的にぶつぶつと暗い赤紫色に腫れるタイプがあります。寒冷な気候や冷たい風により皮膚が凍傷状態になることで生じる症状で、特に寒冷地や冷え性の人に多く見られ、手足の指や耳、鼻などが影響を受けやすいです。

しもやけの原因は、寒冷環境下での冷たい風や冷水に触れることが主な原因です。このような寒冷刺激によって、皮膚の温度が急激に低下し、しもやけが発生します。また、血行不良や血管の反応が鈍くなることで、皮膚に十分な血液が行き届かず、しもやけが起こることもあります。さらに、靴下や手袋が湿っている状態が続くと、皮膚の冷えが進行しやすくなり、しもやけのリスクが高まります。

しもやけの症状としては、赤みと腫れが現れます。しもやけの部位が赤く腫れ、触ると痛みを感じることがあります。さらに、強い痒みが生じることが多く、特に温まったときに症状が悪化します。重症化すると、水泡や潰瘍が生じることもあります。

治療の基本はビタミンE外用薬や内服です。症状がひどいときにはステロイド外用薬や抗生剤含有外用薬を使用します。

かぶれ

かぶれは接触皮膚炎とも呼ばれ大きく、以下4種類に分類されます。

刺激性接触性皮膚炎

肌が化学物質や自然物に接触することで炎症を起こし、赤みや痒み、発疹が現れる皮膚トラブルです。この状態は特定の化粧品、アクセサリー、洗剤、植物などが原因となることが多いです。

アレルギー性接触性皮膚炎

スキンケア製品や香水、アクセサリーなどに含まれる化学物質がアレルゲンとなり、かぶれを引き起こすことがあります。また、洗剤や消毒剤、特定の金属や繊維などの刺激物も原因となります。

光接触性皮膚炎

特定の化学物質や薬剤に対して日光や紫外線にさらされた際に発生する皮膚の炎症で、アレルギー反応の一種です。紫外線にさらされた部分の皮膚が赤くなり、腫れることがあります。
また、炎症を起こした部位にはかゆみや痛みが伴うことが多く、重症の場合には水疱や湿疹が現れることがあります。症状は通常、紫外線に直接さらされた部位に限定されます。

全身性接触性皮膚炎(接触性皮膚炎症候群)

全身性接触性皮膚炎は、特定の化学物質や薬剤に対するアレルギー反応によって全身に炎症が広がる状態です。局所的な接触性皮膚炎が全身に広がる場合や、全身が化学物質にさらされた場合に発生します。皮膚が広範囲に赤くなり、腫れが広がります。
また、非常に強いかゆみが全身に及び、重症の場合には皮膚に水疱や湿疹が発生し、炎症が進行するとさらに広がることがあります。さらに、発熱や倦怠感、全身の不快感を伴うこともあります。

蕁麻疹

蕁麻疹(じんましん)は、大きく分けると急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹に分かれます。それ以外に特殊なものとして以下の病型が知られています。

急性、慢性じんましん

急性じんましんは通常数時間から数日間続く一過性の皮膚の反応です。赤い斑点が皮膚に現れ、痒みを伴い、皮膚が盛り上がった部位(膨疹)が発生します。症状は数時間から数日以内に消失します。

一方、慢性じんましんは6週間以上続く皮膚の反応であり、再発を繰り返すことがあります。持続的な赤い斑点と痒みが続き、膨疹が頻繁に現れ、消えては再発します。症状は6週間以上続くことがあり、長期間にわたることもあります。

原因を知りたいと考えるのが普通ですが、蕁麻疹の6-7割は原因不明であるといわれています。教科書的には肝炎・膵炎の初期でも起こりうるとされているので、あまり血液検査をする機会のない患者さんはチェックしてもいいのではと思います。

物理的じんましん

物理的じんましんは、物理的な刺激に対して皮膚が過敏に反応する状態です。圧力や摩擦によって皮膚に赤い斑点や膨疹が現れることがあります。
また、低温にさらされることで皮膚に発疹が現れる場合や、紫外線や日光にさらされると皮膚が赤くなり、かゆみや膨疹が発生することもあります。水に触れることでも発疹が発生することがあります。

アレルギー性じんましん

アレルギー性じんましんは、特定のアレルゲンに対する免疫反応として発生する皮膚の状態です。アレルゲンが体内に入ると、ヒスタミンが放出され、皮膚に赤い斑点やぶつぶつした隆起(膨疹)が現れます。
症状はアレルゲンに触れたり摂取したりした後、数分から数時間以内に急激に発症し、非常に強いかゆみを伴うことが多いです。通常、症状は数時間から数日以内に消失しますが、再発することもあります。

コリン性じんましん

コリン性じんましんは、運動や入浴、緊張などで体温が上昇した際に発生する皮膚の反応です。体温の上昇により、アセチルコリンという物質が皮膚に放出され、それが原因となります。
このじんましんの特徴として、皮膚に非常に小さな膨疹が多数現れ、膨疹の周囲には赤い斑点が生じ、強いかゆみを伴うことが多いです。主に運動や入浴、緊張などの体温上昇により症状が誘発されます。

不耐性じんましん

不耐性じんましんは、特定の食物や薬物に対する免疫反応ではない過敏反応によって発生する皮膚の状態です。この状態は、体が特定の物質を適切に処理できない場合に発生します。
原因物質を摂取した後、数分から数時間以内に症状が急激に現れ、皮膚に赤い斑点や膨疹が現れ、かゆみを伴います。場合によっては、腹痛や下痢などの消化器症状も伴うことがあります。
症状は数時間から数日以内に消失することが多いですが、原因物質を避けない限り再発することがあります。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

血管性浮腫(クインケ浮腫)は、血管の壁が弛緩し、血液が漏れ出して組織が腫れる状態です。これは血管の損傷や炎症によって引き起こされることが多いです。

特徴として、まず痛みを伴わない腫れが特に脚や足に現れることが多いです。腫れが進行すると皮膚の色が変わり、紫や青色になることがあります。

さらに、軽度から中等度の痛みを感じることもあります。腫れが進行すると皮膚の下にある血管が見えるようになることがあります。

血管性浮腫(クインケ浮腫)イメージ画像

虫さされ

虫さされは、蚊やノミ、ダニ、蜂、アリなどの昆虫の刺咬による皮膚の炎症反応です。虫に刺されたり噛まれたりすることで、痒みや腫れ、赤みなどの症状が現れます。刺される虫の種類や個々の体質により、症状の程度は異なります。

虫刺されの主な原因は、蚊、ノミ、ダニ、蜂、アリなどの昆虫による刺咬です。これらの昆虫が肌を刺したり噛んだりすることで皮膚に反応が生じます。また、刺された部位に毒素やアレルゲンが注入されると、免疫系が過剰反応し、痒みや腫れが引き起こされます。さらに、森林や草むら、湿地帯など虫が多く生息する地域での活動もリスクファクターとなります。

刺された部位に強い痒みを感じることが多く、刺された場所が赤く腫れてふくらむことがあります。蜂刺しや特定のアリによる刺咬は、痛みを伴うことがあります。 特に蜂、ムカデはアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので要注意です。

ほくろ

ほくろ(色素性母斑)は、皮膚に現れる小さな黒や茶色の斑点で、多くの人が一つは持っているものです。ほくろは基本的には良性の皮膚の異常で、体のどの部分にも発生することがありますが、特に顔や首、腕などに多く見られます。

外線に長時間さらされることでメラニン色素が増え、ほくろが形成されることがあります。さらに、思春期や妊娠などでホルモンバランスが変化すると、新しいほくろができることもあります。

ほくろは一般的に黒や茶色の丸い斑点であり、色は黒や茶色が多いです。 ほくろの診断は視診によるABCDEルール(A:左右対称か B:境界明瞭か C:色むらの有無 D:大きさ E:急に大きくなったか 盛り上がってきたか)に加え、ダーモスコピーによる詳細な観察を当院では行います。

粉瘤

粉瘤はさまざまな複数の種類があります。表皮嚢腫、炎症性粉瘤・化膿性粉瘤、外毛根蛸性嚢腫、多発性毛包嚢腫の4種類ありますが、主に表皮嚢腫と炎症性粉瘤が多いです。

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下にできる良性の腫瘍で、真皮下にある袋状の構造物が詰まり、内部に角化物や皮脂がたまることで発生します。粉瘤は体のどの部分にも現れることがありますが、多くは顔、首、背中、胸などに見られます。

粉瘤の特徴的な症状として、皮膚の下に触れるとわかる硬いしこりがあります。粉瘤が感染すると赤く腫れ、痛みを伴うこともあります。さらに、粉瘤が破れた場合、中から悪臭を放つ白や黄色の分泌物が出ることがあります。

少しずつ大きくなること、赤く腫れて膿がたまってしまうと早く治すためには局所麻酔をして切開し、内部を洗浄できるようにする必要が生じ、小さなうちに手術をして摘出してしまう事も一つの方法です。当院では手術も行っています。

老人性疣贅(老人性いぼ)

老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)は、2種類あります。

「 脂漏性角化症(老人性いぼ)
紫外線や加齢によるいぼ 」

脂漏性角化症は、皮膚の角質細胞が異常に増殖し、角化症を引き起こす皮膚疾患です。この病気の特徴として、皮膚が厚くなり、硬くなることがあります。さらに、皮膚がひび割れや剥がれやすくなることもあります。

「 軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)

中年いぼや首いぼと呼ばれるいぼ 」

軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)は、一般的には「スキンタグ」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。これは皮膚から小さく突き出る柔らかい結節や突起物として現れ、色は通常肌色か少し暗めの茶色です。

大きさは非常に小さいものから数センチに及ぶものまでさまざまです。首や腋の下、まぶた、体の折り目や摩擦が多い部分に発生しやすく、通常は無痛ですが、摩擦や圧迫によって痛みや不快感を感じることがあります。原因としては肥満や年齢、妊娠、ホルモンバランスの変化が考えられます。

軟性線維腫は良性であり、健康に大きな影響を及ぼすことは稀です。見た目や不快感が気になる場合は、ご相談にて液体窒素を用いて除去することが可能ですが、紫外線の豊富な時期よりも少ない冬に行った方がしみになりにくいと思われます。

やけど

やけど(火傷)は、熱、化学物質、電気、放射線などの外部要因によって皮膚が損傷する現象です。やけどはその深さや広さによって軽度から重度まで様々な症状があり、適切な治療が必要です。

やけどの原因には、熱い物体や液体、火炎、蒸気などが皮膚に接触することによるものが最も一般的です。また、酸やアルカリ性の物質が皮膚に付着することで化学やけどが発生することもあります。電気ショックや電流が皮膚を通過すると電気やけどが起こり、紫外線や放射線治療によってもやけどが発生することがあります。

症状としては、軽度(1度)の場合、皮膚が赤くなり軽い痛みを伴いますが、水疱はありません。中度(2度)になると皮膚に水疱ができ、痛みが強くなります。また、真皮まで損傷があります。重度(3度)になると皮膚が白くなるか黒く焦げ、感覚が鈍くなります。皮下組織まで損傷があります。

それぞれの程度により適切な治療が必要になります。

陥入爪(巻き爪)

陥入爪は、爪の端が皮膚に食い込み、痛みや炎症を引き起こす状態です。特に足の親指で発生することが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。

陥入爪の主な原因は、不適切な爪の切り方です。爪を過度に短く切ったり、角を切りすぎることが陥入爪を引き起こしやすくします。また、狭い靴やハイヒールなど、爪に圧力がかかる靴を履くことも原因となります。外傷によって爪が食い込むこともあります。

また、陥入爪の原因となる巻き爪は爪が弯曲した状態で、痛みがない間は放置でも構いませんが、早期のうちに矯正する治療もあります。

当院では巻き爪マイスターという器具を用いて治療することも可能です(自費診療)。

うおのめ・たこ

うおのめ(魚目)は医学的には「鶏眼」、たこを「胼胝」と呼びます。
うおのめは真ん中に角質の芯があり、この芯が内側に食い込んでしまっている状態です。うおのめは押すと芯が神経を圧迫するため痛みを伴います。

たこ「胼胝」は、芯がないので痛みはほとんどありません。
足の皮膚が圧力や摩擦により厚く硬くなる現象です。特に足の裏や指、かかとに多く見られ、歩行時に痛みを伴うことがあります。

基本的には厚く硬くなった角質を安全カミソリなどで除去します。が、その後の予防としてクリアジェルクッション®を用いることも有効です。

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帯状疱疹

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる皮膚の感染症で、一般的に痛みを伴う水疱が体の一部に帯状に現れるのが特徴です。

帯状疱疹は、以前に水痘(水ぼうそう)を患ったことがある人に発生しやすく、通常はウイルスが再活性化することで起こります。ストレス、加齢、病気などで免疫力が低下するとウイルスが再活性化しやすくなり、健康な状態が保てないと、帯状疱疹の発症率が高まります。

帯状疱疹は神経に沿って強い痛みを伴うことが多く、特に皮疹が現れる前に鋭い痛みが始まることが多いです。軽症は神経節に島状の皮膚病変が数個見られる程度ですが、重度になると入院加療が必要になります。顔面神経痛や下肢にできると歩行困難などの予後が悪くなる場合もあります。また治った後でも痛みが残る帯状疱疹後神経痛があります。

帯状疱疹は帯状疱疹後神経痛を残さないためにも、発疹が出て3日以内に治療を開始するのが有効とされています。ご心配な場合は早めの受診をお勧めします。また発疹が少ない場合でもデルマクイックVZV®という診断キットを用いて水痘帯状疱疹ウイルスを確認する方法もあります。

褥瘡(床ずれ)

褥瘡(じょくそう)は、長時間同じ体位でいることで皮膚や下層組織に圧迫がかかり、血流が阻害されることによって発生する潰瘍です。特に高齢者や寝たきりの患者さんに多く見られ、迅速かつ適切なケアが重要です。

(床ずれ)褥瘡はステージⅠ~Ⅳに分かれています。ステージⅠは消退しない発赤。Ⅱは部分的欠損。Ⅲは全層皮膚欠損。Ⅳは全層組織欠損です。それぞれの状態にあった治療が必要になりますが、発症予防に努めることも重要です。

切り傷・擦り傷

切り傷や擦り傷は、日常生活の中でよく起こる皮膚の損傷です。切り傷は鋭利な物体によるもので、擦り傷は皮膚の表面がこすれてできる擦り傷です。

切り傷や擦り傷の原因には、刃物やガラス、金属片などの鋭利な物体が皮膚に触れてできる切創や、道路や床、壁などに皮膚がこすれたり転倒した際にできる擦過傷があります。また、日常生活やスポーツ中の事故も原因となることが多いです。

これらの損傷は出血を伴うことがあり、特に切創は深さによって出血量が増えることがあります。また、傷口に痛みが生じることが多く、擦過傷の場合は表層的な痛みが強いです。さらに、傷口周辺に赤みや腫れが見られることがあります。

<スキンテア>

スキンテアは、皮膚が外部の力によって裂けることを指します。高齢者や皮膚が薄くて脆弱な方に多く見られるもので、転倒や物への接触、介護時の動作などで発生することが一般的です。

スキンテアの主な原因は、転倒や物へのぶつかり、介護時の誤った動作などによる外部の力です。また、高齢者の皮膚は薄く繊細で、外部の力に対して弱いため裂けやすくなります。乾燥した皮膚も弾力性が低く、裂けやすくなる要因です。

症状としては、見た目に皮膚が裂けており、傷口が露出しています。部位によっては出血を伴うことがあります。また、スキンテアの部位に痛みを感じることが多いです。

単純ヘルペス

単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)によって引き起こされる感染症で、唇や口周りに水疱や潰瘍ができるのが特徴です。このウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再発します。

唾液や皮膚の接触によって感染が広がります。また、風邪やストレス、過労、日光曝露などで免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化しやすくなります。さらに、唇の乾燥や傷つき、過度なリップクリームの使用はヘルペスを誘発します。

診断が難しい場合にはデルマクイックHSV®という診断キットを用いてウイルスの存在を確認します。

水いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫)は、軟属腫ウイルスによって引き起こされる皮膚の感染症です。特に子供に多く見られますが、大人も感染することがあります。水いぼは、小さなドーム状の隆起が皮膚の表面に現れ、白い核を伴うことが特徴です。

水いぼの主な原因は、接触感染によって広がる軟属腫ウイルス(Molluscum contagiosum virus)です。保育園やプール、家庭内での接触で感染することがあります。免疫機能が低下していると、ウイルスに感染しやすくなり、乾燥や小さな傷からもウイルスが侵入しやすくなります。

症状としては、皮膚に小さなドーム型の隆起が現れ、表面はツルツルしていることが多いです。隆起の中心に硬い白い核が見えることがあり、時折痒みを感じることがあります。掻くことで感染が広がるリスクもあります。

当院では摘出を希望する患者さんには、ペンレス®という局所麻酔貼付薬をあらかじめお渡しして摘出するお手伝いをします。

ウイルス性いぼ

ウイルス性イボには下記のようのものがあります。

ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)

最も一般的なイボで、手足の指、足の裏のできやすいです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる皮膚の小さな隆起です。

主に手や足に見られ、ざらざらした表面を持ち、色は肌の色に似ていることもあれば、灰色や茶色の場合もあります。時には痛みやかゆみを伴うこともあります。直接接触を通じて広がることがあり、感染した人や物との接触が原因となることがあります。また、いぼを触ったり引っ掻いたりすることでウイルスが他の部位に広がる可能性もあります。

液体窒素(LN2)療法による治療が基本ですが、難治な場合には様々な工夫をしています。

青年性扁平疣贅

若い女性に多い、平たいイボです。
通常は無害ですが、見た目に気になる場合があります。
ヨクイニンというハト麦の成分である漢方薬を内服すると効果が期待できます。

水虫

水虫(白癬)は、真菌(カビ)の一種である白癬菌によって感染する皮膚病です。
特に足の指や爪、足底に多く見られますが、体や頭皮にも発生することがあります。水虫には皮膚が白くふやけて、皮がむける趾間型。足底、土踏まずなどに水ぶくれができ、それが破れて皮がむける小水疱型。足の裏が固く厚くなり、時々ひび割れをする角質増殖型の3つに分かれています。
激しい痒み、水疱、皮膚のひび割れなどが見られます。

水虫の主な原因は、公共のシャワー室やプール、ジム,足湯などで白癬菌に感染することです。また、高温多湿の環境は白癬菌が繁殖しやすく、感染した人や動物、汚染された物に触れることで水虫が広がります。

症状としては、皮膚が痒くなることが多く、小さな水疱が皮膚に現れ、破れると痛みを伴います。さらに、皮膚が乾燥してひび割れることや、感染部位が赤くなり腫れることもあります。

爪白癬

爪白癬とは爪水虫のことを言います。人の皮膚の角質を栄養として生きるカビ(真菌)である白癬菌が原因になり、感染した爪は白く濁ります。時に爪は分厚くなり、進行するとぼろぼろになります。

爪白癬の感染は人や動物の皮膚など、白癬菌が付着したものに触れることで起こります。症状はその部分が白や黄色に濁って見えます。進むと爪がボロボロになって崩壊していきます。

トリコフィトン・トランズランス感染症

トリコフィトン・トランズランス感染症は、トリコフィトン・トランズランス感染症が正式名称です。新型水虫菌、たむし、マット菌といわれています。2000年頃から柔道家・レスリング部の選手にタムシ発症がみられ、感染が拡大しています。

この菌にはゼニタムシ(体部白癬)とシラクモ(頭部白癬)の2 種類あります。

体部白癬

発疹は、柔道着等ですれる顔、首、上半身に単発あるいは複数認め、直径1 ~2 cm の小さなものが多く、かさかさしたピンク色の斑です。

頭部白癬

ふけやかさぶたが少しできる程度の症状の軽いものが多いのですが、ひどい場合は、頭皮が盛り上がり、膿みが出 て、脱毛を生じます。

トンスランス菌の感染経路は、身体接触によるものとされていますが、その他に衣類やタオル、寝具類を共有することからの感染も考えられます。この菌は感染力が強く、一度感染すると治りにくいので注意が必要です。家族や友人にもうつす可能性があります。

トリコフィトン・トランズランス感染症は早期発見と適切な治療が鍵となりますので、症状が現れた場合はお早めにご相談してください。

とびひ

とびひ(伝染性膿痂疹)は、細菌によって引き起こされる感染性の高い皮膚疾患で、特に子供に多く見られます。細菌が皮膚に侵入すると、水疱や膿を含んだ発疹が現れ、触れることで他の部分や他人に広がることがあります。
とびひには水ぶくれができる「水疱性膿痂症」と、かさぶたができる「痂皮性膿痂症」があります。

水疱性膿痂症は、皮膚に水疱(水ぶくれ)や膿瘍(膿のたまった部分)ができる病気です。この病気は、皮膚の上皮細胞が異常に増殖し、水疱や膿瘍が形成されることが特徴です。通常、この病気は皮膚の一部に限局され、他の部分には影響しません。

痂皮性膿痂症は、皮膚に膿疱(膿がたまる小さな隆起)や痂皮(かさぶた)ができる皮膚感染症です。この病気は、主に黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌といった細菌が原因で引き起こされます。痂皮性膿痂症は、特に幼児や小児に多く見られることがあり、感染した部位に痂皮が形成されることが特徴です。

症状としては、皮膚の発赤、腫れ、水疱や膿疱の形成が見られます。これらの膿疱が破れると、痂皮が形成されます。また、感染した部位は痛みやかゆみを伴うことがあります。

円形性脱毛症

円形性脱毛症は、自己免疫疾患によって引き起こされる急性の脱毛症状です。
円形脱毛症はいくつかの種類に分かれ、一般的に多い「単発型」、脱毛班が2つ以上発生する「多発型」、後頭部から側頭部に蛇のように広がる「蛇行型」全体的に頭髪は抜け落ちる「全頭型」があります。

円形性脱毛症の主な原因は、免疫システムが誤って正常な毛包を攻撃することで髪の毛が抜け落ちる自己免疫疾患です。ストレスが免疫システムに影響を与えるため、円形性脱毛症の発症リスクが高まります。

突然、円形や楕円形の脱毛斑が現れ、放置すると頭部全体や全身に症状が広がることがあります。感染部位に痛みや痒みを感じることもあります。脱毛症をきたす疾患(甲状腺機能異常症や膠原病など)が隠れている場合もあります。

白斑

白斑(はくはん)は、メラニン色素を生成する細胞(メラノサイト)が減少または破壊されることで、皮膚の一部が白くなる疾患です。白斑は顔や手、足など体のどの部位にも発生することがあり、見た目の変化から心理的な影響を受けることがあります。

白斑の中でも代表的なものは「尋常性白斑」です。発症後、白斑の範囲が拡大していきます。加齢とともに小さな白斑が生じる「老人性白斑」や先天的、生後すぐにできる「脱色素性母斑」があります。

白斑の主な原因は、免疫システムが誤ってメラノサイトを攻撃し色素の生成が停止する自己免疫反応です。日焼けやストレス、化学物質への曝露が白斑の発症を促進する環境要因も関係しています。
皮膚の一部が白くなり、境界がはっきりした白い斑点が現れることが一般的です。時間が経つと斑点が広がることがあります。また、白斑は対称的に顔、手、腕、足などの目立つ部位に現れることが多いです。さらに、髪の毛やまつ毛、眉毛も白くなることがあります。

ステロイド外用薬などにより治療することが一般的ですが、難治な場合には光線療法が奏功することがあります。

赤ら顔(酒さ)

赤ら顔(顔の赤み・紅潮)は、顔の皮膚に紅潮や赤みが現れる状態を指します。これは毛細血管が拡張し、顔の皮膚表面で血流が増加することによって引き起こされるもので、多くの要因が関与しています。

酒さの症状は概ね4段階に分類されます。第1度は紅斑毛細血管拡張型で顔が赤くなり、ほてりヒリヒリ感があります。第2度は丘疹膿胞型、赤い盛り上がり、ニキビのようなぶつぶつが見られます。第3度は鼻瘤。鼻を中心に腫瘤を形成します。第4度は皮膚ではありませんが、眼型で眼の充血やかゆみを感じます。

炎症性皮膚疾患であるロザセア(酒さ)があり、特に中年以降の女性に多く見られ、顔の中心部に赤みが強く現れます。また、化粧品や環境要因に対するアレルギー反応も原因となることがあります。急激な気温の変化や寒冷気候、精神的なストレスも顔の血流を増加させ、赤みが生じることがあります。

近年外用薬による治療薬が登場し、ある程度の効果が期待できます。難治な場合には当院で行っているIPLによる治療が奏功する場合があります。

乾燥肌

乾燥肌は、皮膚が必要な水分と油分を保つことができず、カサカサした状態やひび割れを引き起こすことを指します。特に寒冷な気候や乾燥した環境、頻繁な手洗いや入浴などが原因となり、全身に影響を及ぼすことがあります。

冬場の乾燥した空気や室内暖房による湿度の低下、頻繁な手洗いや入浴による皮膚の自然な油分の喪失です。また、加齢や遺伝、アレルギーなどにより皮膚のバリア機能が低下しやすくなることや、洗剤や石鹸、化粧品などの刺激によっても皮膚が乾燥します。ナイロンタオルの使用も乾燥肌を悪化させます。

皮膚が乾燥しカサカサして弾力が失われた状態になり、痒みが生じることがあります。掻くことでさらに悪化することもあり、重症の乾燥肌ではひび割れや赤み、痛みを伴うことがあります。

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